【オススメは?】屋根瓦の種類

日本に現存する最古の瓦は、飛鳥時代に建立し、平城京遷都に伴って移設された「元興寺」の屋根と言われています。
1400年以上前の瓦が現在も屋根としての機能を果たしていると思うと、ロマンを感じますね。昔の人は偉大です。
現在も日本の家屋では瓦が多く使用されており、近年は地震や台風などに強い瓦や屋根材が開発されるなどの進化を遂げています。
しかし、瓦は種類が多いため屋根瓦の葺き替え、リフォームを検討している方にとってはなかなか分かりづらい部分が多いことも。

こちらの記事では屋根瓦の種類と、各メンテナンス方法などについてご紹介いたします。
ぜひ参考にしてみてください。

日本瓦(J型)

お寺や日本家屋で見る機会が多いですが、新築住宅でも取り入れられることもある瓦です。
Japanese型ということでJ型ともよばれます。
現在流通している瓦のほとんどは粘土でできていますが、製法によって種類が分かれます。
釉薬を塗って焼き上げ、ガラス質でつるつるの見た目になる釉薬瓦と、釉薬を塗らずに蒸し焼きにするいぶし瓦・素焼き瓦です。

瓦の種類 特徴
釉薬瓦 釉薬で色を付けることができるので、カラーバリエーションが豊富。陶器瓦とも。
いぶし瓦 焼き上げた後に蒸す工程を加え、炭素ガスによって灰色に仕上げた瓦。
素焼き瓦 そのまま焼き上げて仕上げた瓦。明るい赤茶色で沖縄の家屋でよく使われている。

 

・メリットとデメリット
日本瓦のメリットとして一番大きいのは、塗装が必要ないということです。
スレート屋根や金属屋根は、徐々に防水性が失われてしまうので屋根塗装などのメンテナンスが欠かせませんが、日本瓦は不要です。しかも耐久性が屋根の中で最も強く、その耐用年数は100年になるという見解も。
もちろん瓦の初期費用は高いのですが、その後のメンテナンスがあまり要らないことを考えると、経済的でもあります。

デメリットは、瓦の一つひとつが重いことから、家に負担をかけてしまうことです。
日本瓦は一枚あたり2.5~3.5kgあるので、地震が来ると弱いと言えるでしょう。
構造上、日本瓦は地震が起きると建物を守るために地面に落ちる設計になっていますが、修理の手間や費用が掛かってしまう弱みがあります。

・メンテナンス方法
耐久性のある日本瓦ですが、なにもメンテナンスフリーというわけではありません。
棟瓦を固定している漆喰は、経年劣化を起こすとひび割れてしまい、放置すると隙間から雨水が浸入する原因をつくってしまうでしょう。台風などでは物が飛来するので、さすがの瓦も場合によっては割れてしまいます。
大きな災害に遭ったときや、15~30年ごとには専門業者に見てもらうことをオススメします。

■洋瓦(F型・S型)

洋瓦は字面からもなんとなく分かるように、欧米の住宅で使われてきた瓦を指します。
F型は平らな形状であるFlat、もしくはこの瓦を開発したのがフランス人だったことからきており、S型はSpanish(スペイン風)が由来です。
最近のトレンドのようにも感じますが、明治・大正に日本にもたらされたため、長い歴史があります。
これらの時代に建てられた洋館などには洋瓦が用いられていることも多く、文化財として指定されていることもあります。
日本瓦とは違い、低温で焼き上げられるのが特徴です。

瓦の種類 特徴
F型 平らな形状で、落ち着いた色合いが多い。日本家屋や和風建築に使用しても違和感がない。
S型 波打つ形状で、オレンジ色、赤茶色が多い。西洋風の建物と相性がいい。

 

・メリットとデメリット
日本瓦と引けを取らない耐久性の高さも魅力ですが、デザイン性の高さにおいては洋瓦に軍配が上がるでしょう。高級感を演出したり、南仏ニースのようなリゾート風にしたりすることもできます。
日本瓦と同じく通気性が良いため瓦の下部分が傷みにくく、遮音性にも優れています。

デメリットとしては、初期費用が高いことでしょう。
とくにS型は施工に対して技術を要しますし、瓦の費用も安くはありません。工期も長めでしょう。
また、現在生産されている瓦でも生産中止になったり、厚みや大きさが変わったりして、数年後に壊れた際に修理できない可能性があります。

・メンテナンス方法
基本的にメンテナンスは日本瓦と同じで、15~20年ごとに漆喰の詰め直しを行ったり、自然災害などで割れたら取り替えたりします。
瓦より先に、野地板やルーフィングシートが寿命を迎えることが多いので、その時は葺き替え工事になるでしょう。

■生産が終了している瓦も

現在の瓦は粘土や金属、その他樹脂とセメントを混ぜたハイブリッドの素材などでできていますが、ひと昔前はセメントを主成分に作られていたこともありました。
セメント瓦やモニエル瓦とよばれるものがそうですが、これらの瓦は現在生産されていません。
手に入りやすい価格ではあったもののメンテナンスが多くて次第に忌避されたり、製造していた会社が日本から撤退したりなどの理由から、今は中古品がわずかにあるという状態です。

これらの瓦は50~40年前によく使用されていたため、現在寿命を迎えているものも多く、壊れても取り替えできる瓦がないことから葺き替えを検討したほうがいいでしょう。

■葺き替え工事では別の瓦にすることも可能

耐久性の高い瓦ではありますが、下地の野地板やルーフィングシートが傷んでしまい、雨漏りに発展してしまうことがあります。
そのようなときには葺き替え工事が必要になるでしょう。

その葺き替え工事では、前回と同じ瓦を使う必要はなく、別の瓦を施工することも可能です。
日本瓦は耐久性と引き換えに地震に弱い面がありますが、ルーガという瓦は割れにくい丈夫さに加えて軽量なことから地震に強いです。長く住む予定であれば、メンテナンスの少ない強い屋根瓦に替えるのも良いでしょう。

■まとめ

瓦は丈夫なため、長い目で見るとリーズナブルな屋根材と言えるでしょう。
今回紹介した和瓦・洋瓦を含む粘土瓦は50~100年近い寿命があるので、メンテナンスこそ必要ですが、ほかの屋根材と比べると非常に長持ちです。
ただし、種類によっては生産しなくなってしまう恐れがあるので、導入を検討する際はその点をじっくり考慮してみてください。

熊野瓦店は岐阜県にて屋根の葺き替え工事、屋根の修理・診断などを承っている瓦専門店です。
親子2代に渡って技術の研鑽を行ってまいりましたので、これまで地域の皆様から多くのご愛顧をいただいてきました。
瓦屋根でご不明なこと、不安に思っていることがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
工事のご依頼も受け付けておりますので、ご検討中でしたら以下よりお見積りをお申し付けください。

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